不動産の登記簿作成の単位

基本的に、現存するすべての不動産には1つにつき1個ごとの登記簿が作成されます。建物の場合、外見から1棟ごとに区分されています。(ただし、区分所有建物の場合は別の規定によります)。登記簿を作成する単位については、建物では見て判断できるものとなっているので、特に問題となることはありません。
ですが、同一の土地の中に居宅(住宅のこと)と車庫や物置といった別の目的の建物が存在しているような場合には、複数の建物が機能面から一体として利用されているものとして、居宅を主たる建物として、車庫や物置のことを付属建物として同一の登記簿に記載することとしています。
反対に土地については登記簿作成の単位を決めるのは少々難しい問題があります。土地は簡単に線引きをするようにして区切りをすることはできません。土地のほとんどは複雑な境界を人為的に引いてゆくようにして範囲を定められています。このことから、土地の区分については「筆」という特殊な単位を使って数えるようにされています。登記においては1筆の土地を1個と考えており、地番をふって区分して登記簿を作成しています。
注意が必要なのはこの「筆」という単位が現実の利用区分と必ずしも一致していないという点です。数筆の土地がまとまって1単位となっており、そこに1つの建物が建っているようなことも珍しくありません。反対に1筆の土地の上に用途の違う複数の独立した建物が建てられてしまっていることもあります。