不動産登記簿の移行状況

不動産登記簿は、平成17年3月からの新法施行以来、全国の登記所では書面での登記簿をオンラインで閲覧できるようコンピューター化が徐々に進められています。ですが、全国すべての法務局の事務手続きをコンピューター化するためにはかなりの作業が必要であり、時間が大変にかかります。まだ文字データの移行作業もすべてが修了しているわけでもなく、現在は従来の登記方法と新法による手続きとが並行混在しているような状態です。
「登記簿の閲覧」や「登記謄本」という言葉も、もともとは従来の書面での登記手続きについて表現されてきたものです。コンピューター化された情報の場合は、必ずしもその意味が完全に当てはまるものではありません。しかし、現在はまだまだ従来の方法と新しい方法とが混在している状態なので、慣用的に使われ続けています。
従来様式とコンピューター様式との違いは記録媒体以外にも「縦書き・横書き」「漢数字・算用数字」「項目ごとの構成」「記載のない部分について、空白にする・余白という文字を記載する」「登記内容を、時間的順番により記載・関連する記載事項については時間的順番にかかわらずまとめて記載する」など細かい部分に及びます。
また、従来からの登記簿からコンピューター様式に移行した場合には、登記内容を移記したことを明確にするため、「昭和63年法務省例第37号附則第2条第2項の規定により移記」等と記載されることになっています。